優しさと合理性2012/01/15

先日の日記にも書いた90年代の音楽雑誌で議論された「音楽とテクノロジー」。それに対して直接言いたい事は無いのですが、個性が消えるほどに制御する為のテクノロジーではなく自由を与えてくれるテクノロジーは好きです。ミスをカバーしたり不安を解消する事で生まれる自由。そんな事を考えている時、やっぱり旧ドイツ軍の戦闘機メッサーシュミットBf109とフォッケウルフFw190の事を思い出してしまいます。

店内にもポスターや玩具があるので話題にする事も多いのですが、店主が1番好きな第二次世界大戦期の戦闘機はFw190です。

こんにちは。とうとう足元を暖める小型暖房まで用意したモジュール店主です。最近脚の冷えに悩まされております。悩んではいるのですが、おかげで風呂に入って体を温めてから飲む酒が美味いというご褒美もいただきました。

さて、ドイツの技術を盛り込み主力と言われながらも故障が多かったBf109に比べ、整備のしやすさと被弾した時の防御性の高さに加え着陸のしやすさも考慮に入れた頑丈な脚を持ったFw190。「ひ弱なサラブレッドではなく騎兵の馬を」とのコンセプトで作られた機体は、生産性も含めて戦果をあげる為に作られた合理的な戦闘機です。操縦席の作りも人間工学を取り入れた合理的な作り。説明しているだけで嬉しくなる愛しのフォッケ。

ご存知の方も多いかと思いますが、エンジンはBMW社製です。ちなみにBf109はダイムラー・ベンツ社製。

ところで、旧日本軍もFw190を所有していて五式戦闘機等陸軍の航空機作りの参考にしたり、分析や模擬空戦等もしていました(ヒントは魔のクロエ)。日本軍の航空技術研究機関としては海軍の空技廠(くうぎしょう)と陸軍の航技研がありますが、個人的には空技廠が作った飛行機は芙蓉部隊が使用していた彗星を除いて、人間爆弾「桜花」、劣悪な燃料でも飛べるジェットエンジン搭載の特攻機を目指していたともいわれる「橘花」、ウルシー環礁への特攻を行った梓特別攻撃隊の「銀河」等、特攻のイメージが強いです。

更にいうと空技廠は当時の日本としては技術的に難しい装備が多く、なんとなく日本原子力開発機構みたいなイメージが強いです。戦後に技術者たちが新幹線等を開発したのも事実なのですが。



最近の映画でどう描写されているかは知りませんが、個人的には早い段階から防弾性能に加え上昇力や急降下速度にも注力しようとした、スペック厨ではないドライで合理的な設計思想を持った陸軍戦闘機の方が好きです。

といっても戦闘機はあくまで1つの例であり、スペックにとらわれる事無く設計思想が使用する人間に対して優しい物が好きですね。過剰なスペックが競争相手と共に自分を追い込んでしまうのでは自由にはなれないな、と。

テクノロジーが自由と安心を与えてくれれば、与力で豊かな想像とライフスタイルが生まれるのではないか?と、扱いきれないエクセルと手書きの帳簿の間で悶絶しながら考えていました。