C-C-B Romanticが止まらない(1985)2020/07/09

築100年の蔵をリフォームして暮らしているからか何なのか
新築の蔵や古民家風の建物等に行くと妙な違和感を感じます。
何故なのかな?ってずっと考えていたんですが、
最近気付いたのは昔の蔵は手作り感が強く
柱等の線が曲がってるんですね。
新築で建てるとプレカット等機械で加工しますから
柱が見える蔵等はまっすぐの直線だらけの内装になります。
するとどういう訳か曲がった線の柱が見える空間よりも
圧迫感のようなものを感じるんですね。
あくまで素人個人の主観ですが、そう感じます。

逆に言えば
最近主流の柱の見えない壁だけが見える内装には
まっすぐの直線が走っていた方が設計図的なミニマルさが出るというか
機械的で工業製品的な良さが活きるような気がします。

葺きたての瓦の屋根はまっすぐに見えるんですが
きっと僅かに曲がっているのでしょう。
金属でまっすぐに作られたお寺の屋根の上に登ってみましたが
やっぱり違和感があるので、自分の中では答えが出ました。

子供の頃に定規を使って絵を書こうとしたら
面白みがなくなるからやめた方が良いと教わった事がありますし
写真を見るよりリアルに感じる画を見たことがありますが
人は正確さや精密さだけに感動するのではないのだなと思いました。

頭の中で思うのではなく深く実感するようになったのは最近ですね。

無意識の中で処理している情報があって
それを引き出すスイッチがどこかにあって
何かが突然そのスイッチを押すのでしょう。

そして曲がった線もまっすぐな直線も活かし方があるのですから
最大限に活かしたデザインや設計が見たいなと思います。

古い車の流線型はきっと曲がっているんだろうなぁ。
桂離宮のむくり屋根もCADで設計した通りに作ってもダメかもしれない。
ロボットみたいにまっすぐな線の近未来的レトロ車も魅力的ですしね。

車といえば最近アルファロメオの車の事をよく調べています。
これから50歳になり、そこから10年ぐらい先を予測した時、
そろそろイタリアンデザインの
ちょっとしつこいというか濃いというか
ドイツ車のシンプルで良い道具的な感じとは違う
時間にもう少し彩りをねじ込んでくる感じというか
そういうムードが似合う人になっていくのも良いんじゃないかな?
と思うようになったのです。

薬味とかスパイスとかハーブも若い頃より今の方が強く求めるし
出会った時のRomanticが止まらない感も強くなってきてる気がします。

そして耐久消費物を選ぶ時には当然将来の自分にふさわしいかも重要です。
家や車や家具など、経年劣化した物と自分が釣り合うかが大切で
年老いた自分がそこに居て自分で許せるかどうかにこだわります。

酒を飲まなくなって数ヶ月経ちますが、
こんな感じで未来の自分像の予測が外れる事もあります。
おかげでスコッチのボトルが並んでた棚には
代わりにサイフォン式のコーヒーメーカーを置く事になったり
それはそれで「生きてる」感じがして楽しいと思ってます。

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