陰翳礼讃2020/12/23

晩酌をしなくなると夜も学びの時間となるので
映画や音楽は勿論、本を読むのにも良い時間となります。

谷崎潤一郎さんの「陰翳礼讃」には
陰影や光の反射や吸収の解析を通して
古い日本と中国の文化の良さが書かれています。

以前ブログで書いた無垢材と突板の光の浸透の話のような
ちょっとマニアックだけど確実に差がある話ばかりで
読みながら「そう!そう!」と本を指差したくなりました。

しかし西洋文化との比較で例えられる事が多いのですが
個人的な感想としては現代日本との比較の方がしっくりきます。

本書が書かれたのが相当昔なので仕方ないのですが。

照明の話も紙の話も陰影の話も
ヨーロッパには共通する物を見ますし
フランス人が本作を引用して説明しているので
確実にフランスには届く内容なんだと思います。

実際ヨーロッパの家にお邪魔した際には
キャンドルで明かりをとったり間接照明を使ったり
陰影や動きのある光の中で穏やかな夜を過ごしました。

現代の日本家屋ではなかなか体験できない事もありますが
洒落たセレクトショップや輸入食材のお店に行くと
量販店やスーパーとは雰囲気や物の見え方が違うと思いませんか?

まさにそれが電球の光の幅の狭さが生み出す陰影で
照射される部分以外は少し暗くなってドラマチックになる訳です。

自分で書くとマニアックに思われすぎる気がして躊躇するので
興味のある方はネットでも読めるので是非読んでみてください。

今年あと何回ブログを書くのか分かりませんが
今年は本当に学ぶことの多い1年でした。